【松阪・アクアリッズカップG3ナイター】児玉碧衣、完全優勝だけでは満足しない果敢な走りに込めた想い
3日間、果敢に先行した理由
12日に決勝戦が行われた「アクアリッズカップG3ナイター」は、岩井芯(岐阜)の完全優勝&G3初制覇で幕を閉じた。
ガールズの決勝戦でも、児玉碧衣(福岡=写真)が完全優勝で190勝目のV。今開催前は石井寛子と優勝数で並んでいたが、ガールズ単独最多優勝に躍り出た。
2018年から2020年まで、前人未到の3年連続「ガールズグランプリ」を制覇。2023年にスタートした「第1回パールカップ」でも優勝し、ガールズケイリン史上初のG1初代チャンピオンに輝いたことで、“女王”の愛称が定着した児玉。
しかし佐藤水菜(神奈川)など後輩の台頭もあり、特別競輪での優勝は2024年の「オールガールズクラシック」以降、遠ざかっている状況だ。
ビッグレースでは影が薄くなっていたものの、今年に入り再び存在感が増している。4月に開催された「オールガールズクラシック」では果敢な仕掛けでレースを動かした。結果的には佐藤水菜、太田りゆ(埼玉)に叩かれてしまったものの、3着は死守した。
自身のXでは、3月の久留米からシューズを変更するなど、今年から試行錯誤していることを明かしている。「オールガールズクラシック」の決勝後、
「脚負けだけ。レベルアップしている手応えを感じている」
と佐藤水菜や太田りゆに脚では負けていることを素直に認めつつ、いろいろ試している効果が出ていることを語っていた。
試行錯誤している様子は今開催でも走りから伝わってきた。初日は風速2.6メートルという状況でも積極的に先行し、1周踏んで逃げ切り。
準決勝と決勝でも初日の再現のように、最終ホームから果敢に先行。準決勝では最後の直線で踏み直し、マークについた安東莉奈(大分)を突き放す力強い走りを披露した。決勝戦でも那須萌美(宮崎)が差を詰めることができないパワフルな走りで、完全優勝を決めた。
今回のメンバーでは実力的に頭一つ抜けていただけに、もっと楽に勝つこともできたはずだが、初日終了後のコメントで、
「風がきついからと半周のレースをしてもG1では通用しない」
とG1優勝を見据えて走っていることを明かしていた。
「(パールカップが開催される岸和田は)一番走り慣れている400バンク。サトミナに勝ったのも400。またリベンジしたい」
決勝後は目の前の優勝だけでは満足せず、闘志をむき出しにしていた。8月に開催される「第2回毎日新聞社杯女子オールスター競輪」の中間発表では、得票数1位となっている児玉だが、その熱い想いが伝わってくる走りこそが、多くのファンを魅了している理由なのだろう。