競輪つれづれ 有坂直樹(あの日の競輪)
かつて優勝者は「夜の帝王」ともいわれたサマーナイトフェスティバルの初代チャンピオン
有坂直樹 56歳 秋田 64期 競輪解説者
今年で22回目のサマーナイトフェスティバルが高知競輪場で行われる。スタートは05年。01年に全国区で4番目にナイター開催を始めた川崎競輪場で開催された。当時は2日制。1着勝ち上がりの9レース制で行われた。
当時の注目選手の名前を見ると懐かしくなる。鈴木誠、山﨑芳仁、岡部芳幸、佐藤慎太郎、武田豊樹、山田裕仁、稲垣裕之、市田佳寿浩、吉岡稔真ら。
そんな中で優勝したのは秋田の有坂直樹だった。レースは残り2周で山﨑-岡部-有坂の北日本ラインが主導権。最終2コーナーで吉岡が仕掛けたが、岡部はこれに合わせて2番手から捲り、直線でインを突いた有坂が岡部を交わしてビッグレースを初制覇した。有坂、岡部、山内卓也の3連単は1万1270円。
当時、ナイターの優勝者を「夜の帝王」と命名する向きもあったが、夜の帝王は遊び人のイメージが強いため、次第に「夜王」とソフトな言い方になったように記憶している。
有坂はこの時までGⅠ決勝を経験し、GⅡでは表彰台にも上がったが、タイトルには縁がなかった。サマーナイトがビッグ初V。優勝インタビューでは「初めてのビッグレース優勝まで長かった気もします。この勢いでGⅠも勝ちたい」と語った。
その言葉通り、有坂はこれを機に力をつけ、同年GⅠオールスター競輪は決勝4着、同年GⅠ競輪祭で初めて表彰台に上がった(3着)。翌06年の日本選手権競輪(競輪ダービー)で準優勝、京王閣で行われたKEIRINグランプリをGⅠ優勝の戦歴なしで優勝に輝いた。そして、翌07年のダービーでGⅠ初Vを果たした。
自在で戦いながらタイトルに手が届かず、北日本の若手が育ったことで、追込みを主戦法に変えたことが躍進につながった。
ちなみに、日焼けし、精悍なイメージなので、夜の帝王がお似合いと記憶したような気もする。